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社内備品とうなぎパイ

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膀胱炎になった話

10月中旬のある夜のこと、私は夢の中でトイレに行っていた。

 

トイレに行く夢はヤバい。これは私が28年間生きてきた中で身につけた知識の一つである。トイレに行く夢=おねしょにつながった経験、皆さんも少なからずあるのではないでしょうか。さすがに大きくなってからおねしょはしていませんけど、小さなころ何回も失敗してきているので、大人になった今でもトイレに行く夢を見ているだけでなんとなく怖い。

 

夢の中で、私は「ヤバいぞ」と思っていた。トイレに行く夢を見ていることに気付いたからだ。トイレから出なくてはならない、夢の中で絶対に用を足してはならない。それはつまり、おねしょにつながるからだ。ベッドのマットレスの替えなどない。早くトイレから出よう…! そう思い、私はトイレの出口を探したが、出口がどこにもない。閉じ込められた! と思った。現実の私は相当トイレに行きたいらしい。早く起きろ、起きて現実世界のトイレに行くんだ…! と強く思ったところで目が覚めた。

 

おねしょはしていなかった。危機管理能力高すぎるやろ…とほくそえみながらベッドから起き上がり、現実のトイレで用を足していると、いくつか違和感があった。まず、いつもよりも量が多い。「あら、まだ出るの?」と思わず話しかけそうになるくらい量が多かった。あとなんか色がおかしい。そして出しても出しても残尿感がある。体調が悪いのかな、今日は早く帰ろう、そう思いながら出勤したものの、電車の中でもとにかくトイレに行きたくて仕方がない。私が屈強な精神力を持って止めていたからいいものの、もう少し心が弱かったら危うく公衆の面前で漏らすところだった。

 

会社に着き、人としての尊厳を失う前にトイレに駆け込んだ私の尿道を襲ったのは、針で刺されたような鋭い痛みであった。同時に、

 

「ま”ッ…!」

 

という声が出た。けっこう大きめの。宇多田ヒカルの「ぼくはくま」という曲の最後の方、「ぼくはくま くく くま まま くま」という歌詞の「まま」の部分の歌い出しの感じにそっくりだった。

 

めちゃ激辛のキムチチゲが尿道から出てきてるんちゃうか、というくらいの痛みがあり、これは尋常じゃない、私の体内(というか尿道)で何かが起こっている、と強制的に理解させられた。

 

排尿し終わり、恐る恐る便器を見ると、そこにはピンク色の世界が広がっていた。誰か便器にバスクリンでも入れたの? と思われるほどにピンク色のそれは、私に「血尿」の2文字を彷彿とさせた。

その後、10分おきに尿意が襲ってくるようになる。仕事中なのに10分ごとにトイレに行く同僚がいたら、普段の私なら「なんだあいつ、サボってんかよ」と思うところだが、サボっているのではなく私は血尿なんである。トイレの中ですぐさま「血尿 和らげる」でググるも、「泌尿器科に行きましょう」しか出てこない。こちとら28歳の麗らかな乙女である。アジアンカンフージェネレーションの4人をこね合わせたみたいな男の上司に「血尿が出ているので今から泌尿器科に行ってきます」なんて言えるわけねえだろうがスカタンが。

ネットは当てにならない。そう思った私は、水を大量に飲み、とにかく毒素を出そうと思い立った。排尿時に尿道が痛い理由は、恐らく尿の中によくないものが混じっているせいだと思われる。ということは、尿をほぼ水にして毒素を薄めることで、痛みが軽減されるのではないか、と考えたのだ。ジーニアス。結果的にこれが効き、排尿時ずっと「ま”ッ…!」だったのが、排尿のラスト部分のみ「ま”ッ…!」となるだけに至った。

 

とはいえ、血は止まらないし、何なら色は濃くなり始めて、便器はピンクではなく赤くなるようになっていたので、次の土曜日に泌尿器科に行った。

 

泌尿器科には、おじいちゃんと若い男性がいた。一見共通点がないように見える3人だが、実のところ皆同じく泌尿器に難を抱えているのかと思うと、心強さを感じた。とにかく尿道の痛みをどうにかしてほしい。尿を検査して、原因を解明して薬を処方してくれ、私の尿を見てくれ!! 早く!! という気持ちを押さえながら、待合室で尿検査の結果を待った結果、私は膀胱炎だった。

免疫力が低下するとかかることがままあるらしい。抗生剤を処方され、私は5日間それを飲み、見事膀胱炎を克服した。案外簡単に治る。キムチチゲ放出状態だったのに。

 

皆さんに申しあげたいことは、膀胱炎は痛いので、すぐに病院に行きましょう、ということであります。すぐに病院に行けない場合は、水をとにかく大量に飲み、どんどん排出することで痛みを和らげることができる場合がございます。免疫力が低下すると、発症する可能性が高くなるので、普段から休息と栄養を取り、昼間は交感神経を優位にし、夜は副交感神経を優位にする努力をすることで、膀胱炎を未然に防ぐことができます。皆さんも健康には気を配り、健やかな排尿ライフをお送りください。

 

それでは。