社内備品とうなぎパイ

アニメとか漫画とかゲームとか映画とか

京都のバンドとライブ

最近くるりが鳴りやまない。


ちょっと前のお話ですが、ゴールデンウィークに入るか入らないかの頃に弊社の社員が一人癌で亡くなり、長期休み明けの社内は重たい雰囲気だった。平均年齢32歳の弊社にとっては多分初めてのことで、朝礼で黙祷したあとやっぱり何人かの社員は茫然自失していて、仕事を辞めていなくなるとかそういうことではなく、人が本当にいなくなってしまうことの衝撃とか何とも言えない苦しさみたいなものを感じた。


突然ですが、私はくるりというバンドが好きである。中学生の時に初めてワールズエンド・スーパーノヴァを聴いて、すぐアルバムを買おうと思ったのにお金がなく、当時間近に迫っていた修学旅行準備用のお金を切り崩して3rdアルバムを買い、母親から怒られたことがある。私からしてみれば京都に修学旅行に行くのだから、それに向けて京都出身であるくるりのCDを買うのは当然の流れであったのですが、母としては新しい下着を買ったり、歯ブラシを新調したりして欲しかったのだろうか。いや、下着よりも歯ブラシよりもくるりである。当時の私にとってはくるりさえ聴ければパンツが汚かろうが歯が磨けなかろうが問答無用でかっこいい人間になれたのであった。
そして私は今でもくるりというバンドが好きである。


先日亡くなった彼女もくるりが好きだった。私と年齢は離れていたけれど、音楽と漫画の趣味は似通っていた。どういう話の流れでそうなったのかは覚えていないけれど、お互いにくるりが好きだという話になって、女子高生みたいに盛り上がった。ライブ行ったことある? 私行ったことあるの、チケットはなかなか取りづらいけどね、と彼女は言った。確かに取りづらいですよね、私行ったことないんです、一緒に行きましょうよ、と私は言った。いいね、と彼女は言った。
最近になって、一緒にはもういけないんだと気付いた。


人が一人いなくなっても、代わりの人がすぐに現れて、なんだかんだ会社は回ってるし、苦しさは徐々に和らいでいく。相変わらず私はくるりを聴いている。ライブには未だに行けていない。いつかは行こうと思っている。


最近くるりが鳴りやまない。