社内備品とうなぎパイ

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溝とドア

大人になればなるほど他者との決して埋まることのない差がはっきりと出てくるせいで、時折無性にやるせない気持ちになる。学生時代はなんだかんだ言って似たような感覚の人が集まっていたので気付かなかったのですが、社会人になってから人間の多様性というものをこれでもかと実感し、それと同時に「これだけ感覚が違う人たちがお互いを分かり合うってほぼ絶対無理だな」とも思った。

子どもの頃は割とフラットに付き合えていた人とも、年齢を重ねるにつれ金銭感覚が違ってきたり、主義主張が食い違ったり、倫理観がズレてきたりして、気付けば大きな溝ができあがってしまうといったことが往々にしてある。大人になると出会った瞬間から急に溝ができている場合もあって、最初の方はその溝を埋めよう埋めようと躍起になっていたけれど、そんなこと無理なんですよね。


人と人とが分かり合うことはできない。お互いを受け入れ合うことしかできない。オフィスで私の向かいに座るM先輩が「体に悪いという理由でマーガリンが食卓に出たことがなく、毎回パンにはバターを塗っている」とおっしゃっていて白目になった。なんというセレブ。この感覚は私には一生わかるまい。しかし受け入れることはできる。こういうセレブが私の近くにもいるのだな、と。


私にも「家のドアを開けた瞬間、中にいた強盗にナイフで刺されそうになっても大丈夫なように、ドアを開けるときはスパイみたいにドアに張り付きながら開ける」という異常な習慣がありますが、こういったところを分かってもらえなくていいから受け入れてもらいたい。