社内備品とうなぎパイ

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死にたがりと呑気な国

先日インターン研修があり、来年度入社の大学生たちが会社にやってきてなんやかんやして帰って行った。
大学生を見るといいなと思う。なぜなら彼らは自由だから。
一切の責任を負わず、嫌なこともすぐ切り捨てることができる。何をやっても許される…そう、厨二病であっても。

社会人になってぱったり厨二病を患っている方に出会わなくなった。
大学生の頃はキャンパスを歩くだけで厨二的な人とエンカウントすることが多くあったため
そのたびにこやかに逃げるというスキルを身につけていたのですが、
ここ2年くらいは全然そういった方々にお会いしなかった。
社会に出て働いている方々は厨二病を患う暇もないのではないか、だいたい業務に支障でそうだしな…
等と思っていたし、あくまで個人的なイメージですが厨二病の人が多そうだなと思われるデザイナーの方々、
出版関係の方々、システムエンジニアの方々の中にも患っている人はいなかった。
多分社会人とはそういう生き物なのだろう。

そういった理由で厨二病に対する免疫力が低くなっていたのですが、
この間久しぶりにエンカウントしてしまった。厨二病患者と。

彼女は無意味に死にたがっていた。
才能がない、もう死ぬしかないなどと呟いていた。
ずっと疑問だったのですがなぜ厨二病の人たちはすぐに死にたがるのでしょうか。
ギャグの死にたがりではなく本気の死にたがりなので迂闊に言葉を返せないのが歯がゆい。
それとも死ぬとは生命の終わりではなく「社会的に」とかそういう意味なのか?
どっちにしろ実家住みの学生なのだから今のところ死ぬ必要性は全くない。

死んでしまう可能性が限りなく低く、死ぬわけないと呑気に思っているからこそ死にたがるんだろうな、
とぼんやり思った。
死にたがらなくてもいつかは死ぬからとりあえず頑張って生きろよ、とも思った。

思っただけで何も言わず、ただ私は彼女に向かって微笑んでいた。
死にたがっている人に対して無責任かもしれないが、
私もまた彼女が死ぬわけないと呑気に思っているからだ。

この国は今日も呑気に平和だ。